ディレクターが考える「良いサイト」

ディレクタ0

ロシナンテ所属 WEBディレクター
担当業務:ディレクション
制作実績:200件を超える新規サイトの立ち上げと、100件以上のサイトリニューアルを担当。ディレクター暦13年

「良いWEBサイト」と「悪いWEBサイト」の差は、どこにあるのでしょうか?
多くのお客様のサイトの立ち上げやリニューアルに立会い、ひとつの結論に辿り着きました。
「良いWEBサイト」とは、お客様の要望を叶える事が出来るサイトであるという事。
逆に「悪いWEBサイト」とは、お客様の想いが先行し、読み手に情報が伝わらないサイトです。

情報発信の方法と、情報を取得するデバイスが多様化した今日、WEBサイトだけでWEB戦略・IT戦略を考える事は不可能です。
というより、IT(WEB)戦略という言葉自体が、劣化した言葉であると考えています。
正しくは、「IT(WEB)ツールの有効活用」であり、お客様の業務戦略に沿った、ある一部分を担うものだと捉えております。

単にWEBサイトの開設やネットショップの開設だけが有効活用ではなく、サポート業務のオンライン化や、SNSの活用も「ITツールの有効活用」に含まれます。

WEBサイトの運営は、多くの場合、お客様の戦略の中で担う役割は、宣伝広告の一部分であると思います。
宣伝広告を担うツールである以上、その効果を定義・計算した上でWEBサイトを設計し、運営していく必要があります。

例えば、ハウスメーカーが新築住宅内覧会の折込チラシの配布を行う事を例にとります。
先ずは、チラシを配布する目的です。今回は内覧会を例にとっていますので、来場促進が主な目的になり、配布日も開催日にあわせて設定されます。

次に、目的を前提にチラシのコンセプトを固め、ターゲットユーザーを明確にします。「二世帯住宅」であれば、高齢者を意識、「デザイナーズハウス」であれば、30代~40代前半の方をターゲットにしていきます。

更に、目的とターゲットから、チラシの内容を構成していきます。どんな情報を掲載する事が効果的なのかを決定しながら、ターゲットユーザーに好まれるデザインと内容を構築していきます。

次に、チラシ効果を考慮し、自社の商圏の中でターゲットユーザーが多く居住している配布エリアなどをピックアップし、過去の反応率やなどを考慮した上で、配布枚数(価格)を決定し、印刷します。
最後に、印刷したチラシを配達店に依頼し、折込チラシとして各家庭に届けます。

これをWEBサイトの制作に置き換えて考えてみます。
チラシ配布の目的=WEBサイト来訪者にとって貰いたい行動
ターゲットユーザー=サイトに来訪して欲しいターゲット。女性/男性や年代によって、想定する情報端末が異なります。
チラシの内容制作=WEBサイトのデザイン、コンテンツ構成の制作
印刷費=WEBサイト全体の制作費
折込費用=リスティング広告、バナー広告、ネットショップ出店費 など

私たちの様なホームページの制作会社が作業を担う部分は、デザインを含めたWEBサイトの制作です。それでも最低限、お客様の目的とターゲットをお伺いしないと、デザインやサイトの構成をご提案する事も出来ません。

この目的とターゲットユーザーが曖昧なままでWEBサイトを制作することは、「折込チラシを何となく近所に配布した」事と同じで、効果が出ないサイトが出来上がる代表的なパターンです。
且つ、情報発信側が、「これも良い物だから載せたい。あれも弊社の特徴だから載せたい」と、見る人を意識しないで多くの情報を同じサイト内に詰め込む傾向があります。結果として、閲覧側からすれば、「何の業種なのだろう?」とか「肝心な情報が載っていない」という状態になります。更にコンセプトが定まっていない分、検索エンジンもサイトの内容を理解できずに、検索結果でも表示され難くなります。
「悪いWEBサイト」の出来上がりです。

この様に、「良いWEBサイト」と「悪いWEBサイト」の大きな分岐点は、制作に入る以前にあります。
サイト活用の方法の目的の定義は、業務に沿った形で、情報発信するお客様自身がお考えになり、計画する事です。

「良いWEBサイト」を制作するために必要な事は、制作前にこの1点を明確にする事が重要です。

誰にどんな情報を届け、その情報を見た方が、どの様な行動を取って頂きたいか。

これに尽きます。漠然とした内容でも、目的とターゲットがはっきりしていれば、WEB制作会社の提案を冷静に判断できますし、ご予算の検討も付きやすくなります。
仮に月200万円の売上を望むWEBサイトを制作したいのであれば、50万円で制作するのは無理です。
1杯600円のラーメンを紹介するために、100万円を費やしてWEBサイトを制作しても、その費用対効果でプラスに転じる前にWEBのトレンドが変わってしまいます。

最後に、よく誤解されがちなWEBサイトの判断基準を紹介します。
「ホームページのアクセス数がこれだけ上がります!」
こんなご提案を受けた事はありませんか?
WEB制作会社やSEO業者が使う常套句です。
当然、人が来ないよりは多くのアクセスがあるWEBサイトの方が可能性は広がります。サイトによっては、アクセスを稼ぐことが最終目的の場合もあります。
しかし、このアクセス数は効果測定の指標のひとつであり、決して絶対的な数値ではありません。
WEB制作会社は当然、自分たちが請け負う業務の範囲中で、目に見えやすい数字を利用してお客様にセールスを仕掛けます。
しかし、全く用がない人が大量に来ても、それでは良いWEBサイトとは言えません。

例えば、サイトに求人の募集を載せ、そのエントリーを目的としたサイトを制作します。
企業の目的は、リクルートサイトを制作する事ではなく、有能な人材の確保です。
アクセスを稼ぎWEBサイトから100人の応募を得る事と、業務内容や会社のコンセプトをしっかり把握し、企業が期待するスキルを保持している可能性が高い人が5人エントリーしてくる事は、どちらが企業にとって有益でしょうか?

WEBサイトだけではなく、紙媒体やポータルサイトを活用の上で、企業が求めるべき5名を得る事が、企業の最終目的をかなえる可能性が高いです。
ですから、本来の目的からすれば、リクルートページは1つのツールであり、アクセス数は効果測定の指標に過ぎません。

良いWEBサイトを制作・運営するために、皆様のサイトも見直してみては如何でしょうか?

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